銀河団と超銀河団も何かに引きずられている

さて、マゼラン星雲の約10倍の彼方に、われわれの銀河系と同じくらいの大きさの渦巻きの形をした銀河が見えてきます。これが有名なアンドロメダ星雲です。アンドロメダ星雲は、肉眼でも容易にその茫洋とした光の広がりを見ることができます。その光も約230万年という膨大な時間をかけて地球に届いたものです。したがって、われわれがいま見ているアンドロメダ星雲の姿は230万年前の姿なのです。

われわれの銀河が大小マゼラン星雲をしたがえているように、アンドロメダ星雲も小さなふたつの銀河をしたがえています。ふつう銀河は単独で存在せず、群れをつくっています。たとえば、われわれの銀河とアンドロメダ星雲を含む半径約250万光年ほどの空間には約20個の銀河があり、この集団を「局所銀河群」と呼んでいます。銀河には渦巻きや楕円のようなものから、形があまりはっきりしないものまで、その形や大きさにはさまざまな種類があります。それらがどのようにして形成されたかは、現代宇宙論の未解決の問題のひとつです。

局所銀河群を離れること5000万光年ほどの彼方に、「乙女座銀河団」と呼ばれる銀河の大集団があります。これだけの大きな距離になると、はっきりとこの値であるとは現在のところいえず、2倍程度の不確定さがつきまといます。以下、数値をあげる場合、このような不確定さがあることを念頭においてください。現代天文学のひとつの目標は、この不確定さをなくすことでもあるのです。

銀河団はだいたい100ほどの銀河か集まった集団ですが、それよりも大きな銀河の集団である超銀河団も知られています。われわれの銀河を含む局所銀河群や乙女座銀河団も、じつはそのような超銀河団の一員にすぎないと現在では考えられています。この超銀河団を「局所超銀河団]と呼んでいます。隣の超銀河団は「うみへびケンタウルス超銀河団」と呼ばれ、1億光年ほど彼方にあります。ごく最近の観測では、われわれの超銀河団もうみへびケンタウルス超銀河団も、ともにさらに遠くにある何物かに引きずられているといわれています。

— posted by 宇多元 at 12:28 am